兼業行政書士のメリットとデメリット

■兼業のメリットは?
前のページで、「行政書士と××士」というダブルライセンスについてお話ししたが、こうしたダブルライセンスで兼業するメリットは何だろう?

顧客側から見れば、単純に「便利」である。

「相続」の相談に行く場合を考えてみよう。

遺産分割協議書は、行政書士事務所で作ってもらうことができる。
でも、相続税の申告はしてくれない。

しかし、税理士兼行政書士の事務所であれば、両方の依頼が一回で済む。

つまり、「うちのおばあちゃんが亡くなったのだけど、相続人はこの人とこの人で、遺産はこれとこれとこれがあって、相続人の一人は5年前から音信不通で・・・」といった個人情報事項を話す手間が、一回で済むというわけだ。

また、事務所側から見れば、一人(または一社)からの仕事量が多くなるというメリットがある。つまり一回の営業で、2つの仕事を受注できる結果になるのだ。

■兼業のデメリットは?
逆に、兼業のデメリットは何だろう?

まず第一に、会費が高くなること。
行政書士も司法書士も、税理士も、社会保険労務士も、それぞれ、行政書士会、司法書士会といったところに所属し、毎月の会費を納める必要がある。

こうした会への所属は、法律によって強制されていて、会に所属しないと仕事自体ができない。

だから、資格をいくつも使う場合は、それに応じて、毎月の経費もかかるわけである。

第二に、その事務所の専門業務がはっきりしなくなること。
資格の組み合わせにもよるが、あれもこれもやっていると、「一体、この事務所の本業は何なんだ?」と思われることがある。

昼食においしいカレーが食べたい人は、カレー屋さんに入るのが正しい。
カレー専門店だったら、間違いなくカレーが出てくる。

しかし、洋食屋さんに入った場合は、カレーはメニューにないかもしれない。
あるいはカレーはサブメニューで、それほどおいしくない可能性もあり、その場合、その人は「おいしいカレーで満足する」という目的を達成できないかもしれない・・・という不安を持つから、他の店に流れてしまいやすい。

同じことが、ダブルライセンスの事務所にも当てはまる。

だから、ダブルライセンスで業務をする場合は、顧客に不安感を抱かせないよう、行政書士業務も他士業の業務もプロフェッショナルである旨を、わかりやすくプレゼンテーションする必要がある。

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>>行政書士の業務が分かるインタビュー(提供:フォーサイト)